セイコー ダイバーズウオッチ 7T92-0BD0(裏蓋刻印) 風防交換

 今から20年ほど前、腕時計にあまりこだわりは無いので2万円ぐらいの予算で、腕時計を買いに行きました。

そこには、個性強めな店員さんがいて、絶対これを買うべきですと勧められて、予算の2倍以上の時計を買いました。
私は、水深1mにも満たないプロペラ磨きにもフウフウしていますから、潜水に興味は無かったのですがダイバーズウオッチを買いました。決め手はただ一つ、チタン合金で軽かったことです。
引退するまで無くさずに使い続けられたのは、奇跡です。(軽いので邪魔にならず外さなかったからだと思います。)

そして、先日電池を交換しました。しかし、風防に傷が目立つようになっていました。
暇なので、風防交換をやるか!という事になりました。
やったことのない作業はワクワクしますね。
そんなこんなで、暇な爺は、ブラックホールに吸い込まれていきました。


使用工具 上から
A 裏蓋回しとケース固定台(これは電池交換のためにすでに購入していました。) 

B 裏蓋閉め器(アルミ製〇 プラ製×割れる)+裏蓋こじ開け工具3本(大中小)1500円
C ルーペ  穴の中の小さなオシドリを探すため1400円
         オシドリ~リューズを引き出すとき、これを押して抜く、オシドリ形の部品だそうです。
  役立ったのは20倍レンズ この倍率はアマゾンでの評価が悪かったですが使い方次第だと思います。5個組のうち、20倍だけ曇り止めの空気穴が無かったのでドリルで穴あけをしました。
レンズからオシドリまでの距離が非常に近いので自分の頭の陰になり光量が不足します。太陽光が色んなものに当たり散乱する昼間、屋外で見ればよく見えます。
D ノギス 風防計測 元の風防は直径29mm 厚み周辺3mm 中央3.5mmのドーム型でしたが、購入したのは3mm平面

 作業手順
1 ベゼルをこじって外す。(風防が厚いので風防が当たる可能性があるというので外しました。)力業で大変でした。3分と33分あたりに、逆転防止のノッチに刺さる出っ張りがあるのでそこを避ける。

2 裏ブタを回す道具で外しました。
3 ムーブメントをケースから外す。
  これに苦労しました。やり方とルーペでの確認に2日かかりました。ムーブメントに刻印されていた7T92Aという型番についてネットで調べましたが、間違ったやり方が紹介されていたりしました。海外の方の動画が参考になりました。 
Bing 動画

   ① リューズの位置を1段引っ張り出す。するとリューズをかんぬきのように止めているオシドリのくぼみが、リューズ近くの穴(↓push 表記)の中に現れる。

  ② そのくぼみ待ち針で押しながらリューズを抜く。


4 リューズを抜くと、ケースからムーブメントがポロッ、目からうろこ、こんな仕掛けで簡単に抜けるとは! 

5 裏蓋閉め器を使ってケースの裏から圧力をかけて風防を外す。(回しながら少しずつ)

6 部品を洗う。
 ケースの表側から取り付けるもの~ベゼル逆転防止の輪とベゼル(中に摩擦用?パッキン) 
 ケースの裏側から取り付けるもの~60分の刻みのある輪・ムーブメント・パッキン・裏蓋

                     デリケートなムーブメントは何もせず保管

7 アマゾンで水晶レンズガラス 29mm・3mm厚の風防(2枚で1200円)を購入 ,

純正は、あれば6000円位のようですが、ガラスでは有難味が無いので買いません。

風防の素材名がいい加減
水晶レンズガラス~水晶(は結晶=原子配列が規則正しい)でガラス(非結晶)変な名前ですね。水晶と同じ二酸化ケイ素のガラスなんでしょうね。名前にクリスタル(結晶)とかくっつけても。
サファイヤガラス~サファイヤ
(は結晶)でガラス(非結晶)? 何でと思って調べてみました。正確にはサファイヤ(酸化アルミニウム)クリスタル(結晶)のようです。複屈折を起こさない方向でカットするんでしょうね。1本の針が2本に見えるとまずいですね。

8 中村時計材料店さんで、ガラス横(風防)パッキンを購入

 風防29.04より少し小さい内径にする。→28.5mmを選択

 風防圧入後、ケース取付部直径に届かないといけないのでパッキン幅を0.4mmにする。
  29.04+0.4×2倍=29.84 これでケース取付部直径29.65に達する。(0.2潰れる計算)
 パッキンの高さは、外した純正に近いものを選択。 

 総合するとこれしかないような・・・ 

 内径 28.5 幅0.4 高さ1.25 (mm)5本入り 660円+送料+代引き=1540円

 風防下部に鉢巻きのようにパッキンを引っ張りながらはめ込み、ケースの取付部において圧着しました。

パッキンを試す前に、接着剤(SEIKOガラス接着剤 SE-S-314紫外線で硬化)で止める方法を試しましたが,風防の中心がずれて、ベゼルが回らないことになりました。失敗



 


厳しい環境で使う気はないので、浸水チェックはパスしました。(防水性能を保つためには、リューズ・ボタン2個のパッキンも交換しないといけません。)

業者は、空気の容器に入れて、加圧して、時計の中に空気が入るか調べ、入ったらケースだけを空気と水を入れた加圧容器に入れて、空気中で加圧し、その後沈めて減圧し、ケースのどこから空気が漏れるか調べるようです。

グランドセイコーで防水試験してみたら衝撃の結果に、、、

(素人は、ムーブメントを抜いて、ケースに裏蓋とリューズをつけて、お湯に沈めています。)

9 ケースにムーブメントを戻す。リューズは差し込むだけでOKです。
10 裏蓋パッキンにシリコングリス塗布して、裏蓋を閉める。
        Saikyu.Japanで社外製パッキン内径31.6mm厚み0.9mm購入(Fring ではなく、Oringが来た残念)


時計は、無事動いてくれました。ブラックホールから生還!




ムーブメントに油は差しませんでした。時計屋さんは、分解して歯車の軸にごくわずか油を付けるそうです。歯車には付けないんですね。素人には無理です。

今回も結構遊べました。(ニューロンを刺激できて、ボケ対策になったと思います。)
古時計ですが、長い付き合いの相棒なので、大切に使っていきます。



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